2008年04月06日

【Photo】From Then On #8 大輪

【Photo】From Then On #8 大輪



気の強いお前の、凛と張りつめ、決してこちらを見ようとはしない表情。しかしその裏には、照れくさい分だけ強がっているお前がいることを、今ではもう、知っている。

らしくないさくら色に包まれていても、そういうところは、変わらないらしい。
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2008年04月05日

【Photo】From Then On #7 さくら色

【Photo】From Then On #7 さくら色



ふと気付いた。いつもはしっかりと作り込んでいるはずのネイルが、今日は桜色だということを。

お前は、自分で言う程才能がないわけじゃない。今まで見てきた、他のどのネイルアートよりも、お前のネイルアートは優れていると、ずっと思ってきた。

ただ、照れくさいから、私ははっきり言わないだけだ。そういうところは、お互い様なのだろう。
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2008年04月04日

【Photo】From Then On #6 一瞬

【Photo】From Then On #6 一瞬



写真を撮る時、シャッターを押す瞬間が一番充実感がある。一瞬の快楽のために、息を止め、静止する瞬間。

レンズを通し、画面を通してものを見る。お互いに、直接見ようとしていない、ただ奇妙なだけの男と女が、そこにいた。
posted by 成瀬隆範 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月03日

【Photo】From Then On #5 つくりもの

【Photo】From Then On #5 つくりもの


フィルムカメラとは違って、デジタルカメラでは、直接被写体を目視しない。

お前も、私も、小さな箱に写し出されたコンピューター処理された作り上げられた画像イメージを信じて、シャッターを押しているんだ。
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2008年04月02日

【Photo】From Then On #4 好奇心

【Photo】From Then On #4 好奇心



生き物をあまり撮りたいと思ったことがない。普段の被写体は殆ど無生物で、私は、その中に命を吹き込むために、シャッターを押しているようなものだ。

それなら、お前は何のために、写真を撮るのか。花や、木や、猫たちや、自分が殆ど撮ろうとしない被写体をお前は選び、写真に残していく。
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2008年04月01日

【Photo】From Then On #3 視線の先

【Photo】From Then On #3 視線の先



被写体を見つけた時。自分は一体どんな顔をしているのだろう。自分はファインダー越しに、何を見ようとしているのだろう。

それを自分自身で見ることは叶わない。しかしお前が何かを見つけ、それをカメラに収めようとする時、私もカメラを取り出して、その姿を写し出そうとしていた。
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2008年03月31日

【Photo】From Then On #2 追いかけて

【Photo】From Then On #2 追いかけて



後姿、なんてものは、今までだって会う度に見てきたはずだった。

4年前に来るはずだったその場所に、今やっとこうして2人で来ているのだということに気付いた。その歳月は、お前が振り向かなかったから過ぎ去ってしまったのか、それとも、自分が追いつこうとしているうちに、いつの間にか過ぎ去ってしまったのか、どちらなのかはわからない。

今になってやっと、お互いの歩調を合わせることが、少しずつできるようになってきたのだろうか。
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2008年03月30日

【Photo】From Then On #1 やわらかな風

【Photo】From Then On #1 やわらかな風



声をかけてきた時。一瞬、誰だかわからなかった。

そこにいたのは、とても優しくやわらかい空気をまとった女だった。ほんの数枚の服が、らしくない色使いが、それでも、私にはとても新鮮に思えたし、ずっと探していたような、意外な一面を見たような気がした。

お前の写真は何回も撮ってきた。ずっとモノトーンだった色のない世界に、今回は初めて、色を乗せてみようという気がしたんだ。
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2008年03月24日

壊れやすい贈り物

080323presentS.jpg


手紙。

これからも学院でがんばって下さい。これからも、学院で、がんばって下さい。私が学院にいることが、まるで当たり前みたいに。

手作りの鎖はどうやら壊れやすいみたいだけれど、それでも少なくとも、私をつなぎ止めるくらいの強さはあるはずだ。

「あなたは一体、生徒を教える、ということを捨てることができるのですか」

そんな問いを、全く見知らぬ人から投げかけられたのは、つい最近のことだ。それも今はもう、まるで遠い過去のようなものだ。
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2008年03月23日

求めていた華

080322bottle.jpg


酒を飲まずにはいられないような生き方はしていないつもりでも、酒を飲みたくなってしまうような出来事には事欠かない。

久しぶりに写真を撮った。RICOH GR は最高の相棒で、その時の自分の内面を正確に反映させる。シャッターを押した瞬間に、良い作品が撮れたかどうかは、大抵感じることができる。

子供達の遊ぶ公園を過ぎる。団地の隙間の小さな店の群の間を進む。重なる日常の隙間を抜けて、今まで行ったことのない場所を歩いていく。車の音は遠く、電線と鉄柵が空を縦横無尽に切り取る。しかし、シャッターを押しても、充実感がない。いつまで経ってもファインダーに残るのはただの映像で、それは自分を映し出してはいない。

無理矢理に癒しを求めて空を撮ってみても、眩し過ぎる光を捉えきれない。山下達郎が蒼氓を歌っても、琥珀色は輝いて来ない。ただ足を交互に動かし進むことで、目的地に近づいたつもりになるしか、術がない。

いつしか強烈だった太陽の光は淡い雲のグラデーションに包まれ、空を青から赤へと染め上げようとしている。私はがっかりして、太陽に背を向ける。朽ちていく太陽などいらない。

結局、自分の心を唯一映し出したのは、ゴミ捨て場に捨てられていた、なんてことはないビール瓶の詰まったケースだった。

1本1本の酒を積み重ねるように飲み干し、排泄をしては解決したような気分になって、また明日を迎えようとしていた人の残骸。瓶に写った歪んだ自分の姿を見ていないふりをしては、それをゴミとしてまとめて片付けようとする人間達の、艶めいた自己満足。

私はレンズを向けて、それを切り取るためにシャッターを押した。冷徹な目で観察できる対象をそこに感じ、そこに写り込んだ自分を、確実に意識しながら。
posted by 成瀬隆範 at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする