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2007年03月14日



 道は歩かなければならないなどとは、誰が決めたというわけでもない。それでも人は、道を進んで行ってしまう。
 道は常に二方向へと誘導を行う。右か左か、前か後ろか。道の真ん中に立つだけで、人は進むべき方向を二通りに決定されてしまう。
 電柱の陰に座り込む。行き交う人混みの流れを傍観してみる。人は目の前の道を行き交い、止まることを知らない。ただそこに道があるというだけで、人は二通りに制限された選択肢を何の疑問もなく受け入れる。
 私はそれに、逆らってみたくなった。だからこうして道端にしゃがみこんで、外の人間が知ることのない真実を知ったような顔をして、人の波を観察し続けているのだ。
 しかし私もいずれ、この電柱の陰から立ち上がった時に、脅迫的な「二方向の選択」を突き付けられるのである。「道」というテリトリーに入り込んだ瞬間、どんな傍観者でも、二方向の魔力から抜け出せることはできないのだ。




2007年度多摩美一般入試課題。

道、ねぇ。いつの間にか誕生日を迎えたと思ったら、もう一週間経ってしまっている…。道は二方向に進めるけど、一方向にしか進めない時間がどんどん過ぎて行く。
posted by 成瀬隆範 at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 文芸・話芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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