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2009年08月21日

残っていた名前

大学時代のサークルのことなんて、自分にとっては遠い昔のことで、たいしたことは、覚えていない。過去を自分で変えることは出来ないから、たぶん、自分は過去のことを、すぐに忘れてしまうのだと思う。

大学時代は、学問の世界の閉鎖性に嫌気がさして、音楽ばかりをやっていた。自分の活動のベースはサークルだったわけだが、今考えると、サークルをサークルとして有効活用していたとは言えなかったように思う。結局は、音楽という視点で自分を見つめていたに過ぎなかったのだから。

大学を卒業して、自分は一旦音楽を捨てた。音楽を楽しめなくなっている自分に気づいたから、ということもあるし、新たに今の仕事をはじめ、美術の世界という新しい分野への一歩を踏み出したから、ということもある。しかしそれでも、「言葉で表現する」ということを捨てきれずに、その頃は、自分の文章力を磨くために、数多くの小説を書いたりしていたのだが。

それでも最近は、捨てたはずの音楽を少しずつでも取り戻しつつある。未だ自分で演奏行為を行うことにはためらいが大きいものの、時として、ふと、家にある楽器を取り出してみたりすることがある。殆ど使わないのに、未だに家には、ギター/ベース/ドラムマシーン/キーボード(最近、別所に置かせていただいている)/HDD MTRまでそろっていて、いつでも音楽を生み出せる状態にある。

実際、生み出すことは、ほとんど全くないのだが。

今日はちょっとしたきっかけがあって楽器が弾きたくなり、久しぶりにギターを取り出してみた。「継続は力なり」という言葉の重みは、教育に携わる身としては、自分が一番よくわかっている。継続していない自分に、納得のできる演奏が出来るわけも無い。が、それでも、自分が楽器のプロではないということをいいわけに、戯れに弾いてみたわけだ。

忘れてしまっているはずの大学時代のサークル。ふと思い出した顔があった。あいつはいま、何をやっているんだろうか、と。

サークルにいた時から、テレビに出演していたり(その様子は、検索すればYoutubeで出て来たりする)、学生という身分にしてはかなり値の張るベースを買ったりと、自分とは違って、そもそもは音楽を中心にして生きているやつだった。

幸い、というか、唯一、そいつの名前はしっかりと覚えていた。だから調べるのは、そんなに難しくなかった。そして調べてみて、ほんの少しだけ、驚いた。自分と、似たようなことをやっていた。進んでいる路は、自分と大きく違っているけれど。

でも、感じるのは、そいつが、しっかりと自分の思う通りの路を進み続けているのだろう、ということ。苦労は多いことだろうけれども、迷うこと無く、きっと、ずっと進み続けていくのだろうと思っている。あの頃から、たぶん、そういうやつだと思っていたから。
posted by 成瀬隆範 at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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