ビール値上がりか?(産経ウェブ 04.12.7)
(記事概要)
ビールや発泡酒の価格低下に苦しむビール大手4社が、来年1月、一斉に小売店の値引きの元手になっているリベート(販売奨励金)制度を廃止する。店頭価格上昇につながるのは必至で、大手スーパーなどが抵抗しているほか、消費を冷やすと懸念する声も出ている。
(以上記事概要)
もうコメントするのも疲れてしまったので、酒に対する詳しい考察はこちらを参照してください(12/6 記事 「酒文化の破壊者が率先して何を言うか」)。
今回気になったのは、この一文。
「生鮮品と違い、ビールは同じ銘柄ならどこでも中身が同じ。価格は重要」(大手スーパー幹部)
つまり、「どれを飲んでも同じ」程度の魅力しかないビールを作っているということですよね。例えばカクテルの世界では、レシピに「ホワイトキュラソー(オレンジのリキュール。ケーキや菓子を作るときにも使う)」と書いてあっても、「コアントロー」と他社の「ホワイトキュラソー」を使ったのでは、異なった味のカクテルができるんですよ。マティーニだって同じです。これはヴェルモットとジン(とオリーブ、レモン)だけのシンプルなカクテルですが、ジンの銘柄の選び方やヴェルモットの選び方、その配分の仕方、ステアのやり方(混ぜ方)で全然違った味のものができるんですよね。だから店ごとに味が違うし、ちゃんとしたバーのマスターは自分の店の味を出すためにかなりこだわって酒選びをするんですよ。マティーニに関しては、以下の4つの記事をご参照ください。
1.銀座6丁目「ル・ヴェール」
2.銀座6丁目「MORI・BAR」
3.パレスホテル「ロイヤルバー」
4.東京・銀座「Y&M Bar KISLING」
(いずれも夕刊フジブログの記事)
ちなみに銀座は全く私のテリトリーではないので、上記のバーに行ったことはないし、銀座で飲めるほどの裕福な生活をしているわけでも社会的地位があるわけでもないのです。ただ、たった 90ml の世界を作り出すだけのために、何年も、時には何十年もの年月をかけて自分だけの世界観を完成させる人たちもいるということに魅力を覚えるわけです。この人たちはいずれも自分だけの店と、自分だけの出せる味を持った人たちです。発泡酒などという大企業メーカーの「酒」と呼ぶのも恥ずかしいような製品の話題で上記の4つのバーの紹介記事にリンクをはってしまうのは申し訳ないくらいです。
ちなみに…。私は職場で「先生」と呼ばれるのが嫌いです。「先生」に関わらず、役職名で呼ばれるのは総じて好きになれません。なぜなら、「私をそんなちっぽけな名前で縛るんじゃない。先生だったら誰でもいいのかよ」と、思ってしまうからです。だから本名や、あだ名で私のことを呼んでくれた方がうれしいんです。…たとえそのあだ名を Google で検索にかけた時、某マニアックなオタク系エロゲームをつくるメーカーのサイトが検索のトップに躍り出てきて非常にがっかりした経験があったとしても(本名がバレてしまうので、ここには書きませんが。ちなみに、成瀬隆範はハンドルネームです)。
私は私。私は自分が他の誰かと置き換えが可能だということは絶対に許せないし、自分だけにしかできないことをやり続けていたいと思っています。それが仕事であっても、サイト作りであっても、生き方であっても。だから、自分が他の誰かと置き換えが可能だとわかった瞬間に、あるいは自分の存在価値がちゃんと認められなくなったときに、私はそこから離れてしまいます。これまでもずっとそうでした。
と、いうことで恐れ多くも上記の4つのバーの記事にリンクをはらせていただきました。つまり、こういうことです。私には日本の大手ビールメーカーなんて必要ありません(ただし、エピスはのぞく。なんとなく)。でも、例えば、まだ酒が飲めた時代に買っておいた Chales Vanot(シャルル バノー:ブルーキュラソーのひとつ)を、私は今でも、未開封のままで何年も同じように持ち続けています。すごく綺麗な青色なんですよ。私にとってはこの酒は置き換えがきかないんです。たとえそれが大量に生産されたものの中のひとつに過ぎないとしても。この酒を開封する機会は当面のところないでしょうが(ブルーキュラソーはカクテルを作る以外に用途がない)、私はこのリキュールをこれから先も持ち続けると思います(引っ越しのときもわざわざ抱えて持ってきたんです)。
2004年12月09日
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