
多摩美の実技に2004年度と2005年度の各実技科の入試問題を追加しました。
Ace Art Academy
Art Books カテゴリーの整理と更新を行いました。新規には、以下の書評が掲載されていますので、こちらにも転記します。
Adobe InDesign は非常に優秀なソフトウェアですが、なんの参考書も無く使用することは不可能です。もちろん、ヘルプ機能は搭載されていますが、やはり紙媒体での「参考書」という形で閲覧できると、遥かに作業効率が上がります。
様々な「参考書」が存在する中で、私が選んだのが、この本です。たくさん参考書がある中で、敢えてこの本を選んだのは、以下のような利点があるからです。
以下は、上記の項目ひとつひとつについて詳細な解説。
○オールカラーである。
私は、コンピューター関連の解説書では、白黒ページを好みません(単なる文字情報だけで事足りる内容の場合は別)。言うまでもなくコンピューター画面はカラー画面なわけであり、解説に画面の写真を掲載する必要があるような場合にはカラーで掲載されていないと、わかり辛いと感じてしまいます。また、「文字色などを使い分けることによって説明をわかりやすくする」というデザイン上の手法を使用できていないということなので、わかりやすさ、という点においては白黒ページはカラーページに及ばないと思います(これも、単なる文字情報だけで事足りる内容の場合は別)。
○DTP の基本部分の解説も掲載されている。
これは、DTP 初心者にとっては非常にありがたいといえます。掲載されているページ数自体は非常に少ないのですが、Adobe InDesign というソフトの存在意義を理解しきれていなかった自分にとっては非常にありがたいページでした。DTP を本格的に学ぶ場合は別に DTP に関する専門書や解説書を入手した方が良いのでしょうが、「とりあえず Adobe InDesign を使いたい」という場合は、『標準DTPデザイン講座 InDesign CS』に掲載されている程度の少ないページ数の説明だけでも十分に役に立つし、内容理解の手助けとなります。
○カテゴリー別に学習ができるようになっている。
『標準DTPデザイン「講座」 InDesign CS』と銘打っているように、ページを追って読み進めてゆくことで、カテゴリー別の学習ができるようになっています。もちろん、たいていの解説書はカテゴリー別に章立てているのですが、本書の特徴は、「講座」と銘打っていること。つまり、最初から「わかりやすく教える」ことをコンセプトに書かれているのです。
専門家というのは、とかく教えるのが下手になりがちです。理由は様々にありますが、自分がわかっている分野の内容を扱うからこそ「こんなのわかって当たり前」という気持ちが働いてしまうという側面もあるのでしょう(「こんなこともわからないの」と考えたり発言したりしてしまう、ダメ教師は依然として多い)。『標準DTPデザイン講座 InDesign CS』の場合、最初から「教える」ことをコンセプトにしているのでそのような傲慢さはページ内に見受けられないし、実際にわかりやすく親切に書かれていると思います。
○表紙のデザインにセンスの良さを感じる。
表紙デザインなど、「内容とは関係ない」と思う人がいたとしたら、ちょっと考えてみてほしい。表紙のデザインセンスが良いということは、隅々にまで気を使ったうえで、『標準DTPデザイン講座 InDesign CS』が出版されているということなのです。ましてや、この書籍は DTP という、書籍のデザインに関わる分野の書籍です。表紙のデザインセンスの悪い書籍で、私は書籍デザインを学びたいとは思いません。
私は、外面というものは優れた感性(内面)の発露であると思っています。デザインの根本とは素材の本質を見抜いてその良さを最大限に引き出すことであり、そのデザインの本質的部分を表紙という外面的要素で外していない『標準DTPデザイン講座 InDesign CS』に、私は非常に好感を持ちました。外面のみで判断するのはやってはならないことですが、外面と内面の高度なバランスが取れているものは、積極的に選んでいって間違いはないと思っています。
(書評と推薦:成瀬隆範)
